14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/13(水) 22:30:45.50 ID:Gm5y04qy0
  
  
 藍子の両肩に手を置き、今度こそはと優しく揺すってみる。 
  
  
 「なぁ、藍子。怒らないからさ、何か返事をしてくれよ…」 
  
  
 声色も優しさを含んでいたと思う。 
  
 でもやっぱり藍子は何の反応も示さない。 
  
 ………それどころか、息すらしていなかった。 
  
 左手は肩に置いたまま、右手でそっと両眼を閉じてやった。 
  
  
 「………あぁ」 
  
  
 溜息とも取れなくはない、言葉にもなっていない呟きが零れ落ちた。 
  
 不運なんていつ誰に降りかかったって可笑しくない。自分に関係無いなんて思っていたって、自分以外にはわからない。 
  
 運があらずで、不運。これもまた藍子の運命だったのかもしれない。 
  
  
 「死んでる…」 
  
  
 誰にも返されることのない言葉を漏らしながら、藍子の隣に乱暴に身を下した。 
  
  
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