過去ログ - 【Fate/hollow ataraxia】死ぬまでにするべき3つの事【じゃない】
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1
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:02:27.76 ID:yklNhw4x0
【はじめに】
このSSの時系列的は hollow の辺りを想定しています。
しかし hollow 自体が『3ルートいずれの後日談でもない』事から、
その都度都合のいいトコ取り、かつフリーダムに話を進めています。
予めご了承ください。
SSWiki :
ss.vip2ch.com
2
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:03:36.88 ID:yklNhw4x0
閉じていた目蓋をゆっくりと開けると、部屋は薄っすらと明るみがかっていた。
横たわったまま首を回して窓を見る。
秋の弱い日差しが、カーテンの隙間から差し込んでいた。
以下略
3
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:04:37.41 ID:yklNhw4x0
上体を起こしたその時、左手の指に絡みつく柔らかな温もりに気が付いた。
脇を見やると、そこには静かな寝息を立てて横たわる冬の少女の姿がある。
「イリヤ……」
以下略
4
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:05:29.60 ID:yklNhw4x0
今、自分の置かれている状況を整理する。
まだ少しだけ霞む頭を回転させ、昨夜の記憶を一つ、一つ、呼び起こす。
イリヤと、冬の城で、イリヤの部屋で、同じベッドで━━━━━━。
以下略
5
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:06:25.39 ID:yklNhw4x0
「ん」と小さな吐息の漏れる音。
イリヤの胸が規則正しい上下の運動を止めた。
ゆっくりと双眸が開かれ、紅い瞳が士郎の瞳と交錯する。
以下略
6
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:07:19.42 ID:yklNhw4x0
イリヤはベッドから体を起こし、乱れた寝間着の襟元を正した。
士郎は窓辺に歩み寄ると、カーテンを開けて部屋一杯に日の光を招き入れた。
「……コレ、どうしよっか?」
以下略
7
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(SSL)
[sage]
2014/08/16(土) 15:08:15.53 ID:P6jQF0op0
イリヤルートか
期待
8
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:08:34.33 ID:yklNhw4x0
さて、ここが衛宮の屋敷であれば士郎自ら洗濯すれば良い。
同居人に見つかるリスクはあるとしても、洗ってしまえばどうとでも言い訳がきく。
しかし此処はアインツベルンの冬の城。
以下略
9
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:09:36.98 ID:yklNhw4x0
「お茶でございます」
サロンで遅めの昼食を取った後、セラが食後の紅茶を運んできた。
差し出された真っ白なティーカップには、深みのあるオレンジ色の液体が注がれ、
以下略
10
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:10:27.27 ID:yklNhw4x0
さてどうしたものか。
コレを飲むのか? 飲まないのか?
一応毒は入っていないだろう。入っていればすぐに知れる。
以下略
11
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:12:37.16 ID:yklNhw4x0
確かにセラは何も言わない。
例のシーツを見た時も、引きつった顔のまま黙ってベッドから剥ぎ、足早に洗い場へ直行したのだった。
アインツベルンに使える者として、従者然とした姿勢はあくまでも崩していない。
以下略
12
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:14:11.30 ID:yklNhw4x0
士郎はティーカップに正対したまま、目線のみを滑らせてセラの顔を覗き見た。
勝ち誇っている。セラは勝ち誇った笑みを浮かべて
「さあどうしました? 飲まないのですか? 折角の紅茶が冷めてしまいますよ?」と
以下略
13
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:15:24.74 ID:yklNhw4x0
因みに紅茶を受け皿に移し替えて飲むのは、本来の受け皿の使い方としては正しい。
昔は紅茶の温度を冷ますにあたり、このような作法を行っていたらしいのだ。
現在のテーブルマナーに則しているかは不明だが、これは士郎なりの意趣返しである。
以下略
14
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:16:36.77 ID:yklNhw4x0
暫くすると、リズがクッキーを運んできた。
食後という事もあって量は少ない。
形の良い丸いクッキーが、整然と皿の上に並べられている。
以下略
15
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:17:54.07 ID:yklNhw4x0
「なあリズ。このクッキーって、何処かのお店で買って来たのか?」
リズはゆっくりと首を横に振ると、片言の口調で
「私が焼いた。……美味しい?」
以下略
16
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:18:49.21 ID:yklNhw4x0
リズが入れ直してくれた紅茶をすすりながら、士郎は口休めに今後の事を思案した。
『イリヤを守る。イリヤを幸せにする』
それが今の自分に課した、そしてイリヤ本人と結んだ誓いである。
17
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:20:01.97 ID:yklNhw4x0
イリヤは「自分はもう長くない」なんて言う。
それは聖杯の器として生を受け、様々な調整を受けたが故の反作用。
発育不全に加え、短い生涯を宿命づけられているのである。
以下略
18
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:21:00.07 ID:yklNhw4x0
時は第四次聖杯戦争。
切嗣はアインツベルンを裏切り、聖杯を破壊した。
ならばその罪滅ぼし━━━━ なんておこがましいかもしれないが、
以下略
19
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:21:50.28 ID:yklNhw4x0
イリヤは幸せに生きる権利がある。
しかしその権利は、聖杯戦争の名の元にないがしろにされてきた。
ならば聖杯戦争が終結した今、イリヤの命が尽きるまで、
以下略
20
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:22:52.17 ID:yklNhw4x0
きっかけはそれだった。
切嗣が出来なかった分、自分が代わりにイリヤを幸せにしたい。
しかし今は違う。
以下略
21
:
◆VUVWczQ0wI
[saga]
2014/08/16(土) 15:23:46.41 ID:yklNhw4x0
士郎はホウと息を吐き、飲みかけの紅茶をテーブルに置いた。
どれ程ふけっていたかは分からないが、
湯気が見えなくなる位にはカップの中身が冷めていた。
以下略
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