過去ログ - 【ブラックブレット】安価で進むよどこまでも【安価】
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◆l5MFSAHuXc
[saga]
2014/08/18(月) 02:06:06.62 ID:NN4LdghFO
思い返せば確か配給札は父親に預けていたのだった。無くすと大変だからと言われて家族全員の配給札を父親が管理していた。
その父親がいないということは――
彰人「すいません……配給札、お父さんが持ってたんですけど……今、お父さんとはぐれてて……」
すると女性は困ったような顔をして少年を見ると、やがて少年の肩に手を乗せて言った。
「ごめんね、配給札が無い人にはあげることが出来ないのよ。だから悪いけどお父さんと一緒に来てくれる?」
それは女性からしたら当然の言葉だった。配給札が無い以上、少年は不正に食料を得ようとしているかもしれない。そんな人間に食料を渡すことなど、出来るわけがない。
それから再三に渡ってなんとか食料を得ることが出来ないか話すが、結果は惨敗。少年は何も得ることが出来ないままこの場を離れるしかなかった。
少年は少し離れた建物の壁に背中を預けて座りこんでいた。お腹が空いた。単純にそんな感情だけが頭を支配していた。
前いた避難所がガストレアに襲われ、命からがら逃げてきた日数は二日。飲み食いをしていない時間帯もそれくらいと考えると、そろそろ限界が近かった。
誰かのところに行って食べ物を恵んでもらう、なんてことも出来なかった。否、出来るわけがない。
誰だって自分が一番可愛いのだ。こんな見ず知らずの少年に食べ物を分け与えることなど、するわけがない。
「……もしかして、彰人君?」
絶望に打ちひしがれ、これからどうしようと頭を悩ませていた彰人にそんな声がかけられる。
顔を上げるとそこにいたのは何度か顔を見たことのある女性だった。確か、母方の祖母だったか。
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