過去ログ - トール「前と、後ろ。どっちがいい?」フィアンマ「どっち、も」
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31: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2014/09/03(水) 23:32:37.09 ID:/CJmY84l0

結局、男だったのか。

白いシャツに黒いズボンという簡素な格好でベッドに転がるフィアンマを見、トールは少し残念に思った。
女の子だったら、初恋の相手によく似ていたのだが。

「やっぱシングル二つ取るべきだったか…」
「人の気配が苦手なのか?」
「いや、気まずいだろ。今日会ったばっかだぜ、俺達」
「ん? 出会った時間から逆算するともう既に一日経過に近いぞ」
「細かい計算の話じゃねえよ」

備え付けのドライヤーで髪を乾かし、欠伸を噛み殺す。
少し、魔力を使いすぎてしまった感じは否めない。
生命力を練り上げて魔力にするのだ、当然日常生活よりも疲弊する。
その上、気分の悪い戦闘しか出来なかったのだ。憂鬱にもなる。

「………」
「……早いな」

ふと気がつくとベッドサイドのライトを消し、フィアンマが寝入っていた。
すぴー、と呑気な寝息すらも聞こえてくる。マイペースな男だ。
髪も乾いたことだし、とトールもベッドに横たわり、電気を消す。
近くに誰かの寝息があるというのは確かに落ち着かないが、悪くはない。
ずっと一人で生活していると、同居人の存在が時々欲しくなったりするもので。

「………おやすみ」

返事はなかったが、トールは緩やかに眠りへ堕ちた。


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