過去ログ - トール「前と、後ろ。どっちがいい?」フィアンマ「どっち、も」
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4: ◆RxERbt62ozsf[saga]
2014/08/17(日) 23:23:52.03 ID:oyMdLABn0

自分より強いものを圧倒的にねじ伏せることの何と気持ちが良いことか。

歪んだ愉悦に浸りながら、少年は自分よりも背丈の高い大人を叩きのめしていた。
何人死なせたか覚えてはいないが、この異常事態だ、どこに責任があるかもわからない。
攻撃して初めて自分の存在に気がつく大人達の目は血走っている。
お互いに何の恨みがあるというのか、死体を滅茶苦茶に突き、お互いを殺害しあう。
憑き物、とでも呼ぶべき『何か』が働いていることは明らかだった。

『よっと、』

長い金髪を赤い血液で汚し、少年は船の上で伸びをした。
周囲は既に死体であって、少年の感性は狂ってしまっている。

『……あいつ、あぶないな』

品の良さそうなお嬢様に見えた。
赤い髪は長く、背中で緩くリボンで結ばれている。
昼間、船酔いをした貴族の子供だったように思う。
手にはテーブルナイフがあり、視線の先にはとても小さな女の子が居た。
何かを葛藤している様子を見せる子供は、ナイフを取り落とす。
泣きそうな顔をする子供に、粗暴そうな男が後ろから迫っていた。
少年はそちらへ近寄り、男に足を引っ掛けて転ばせる。
その上で背中に跨り、サバイバルナイフを奪って首を切った。
噴き出す血が若干頬に付着したことを感じながら、品の良さそうな子供を見やる。
自分と同い年程度のその子供は、震えながらも決心したようにナイフを拾い上げ。

『だいじょうぶか?』
『ん、……おわらせるんだ、こんなよるは』

そう言って、今度こそ泣きじゃくりながら――――――。


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