過去ログ - トール「前と、後ろ。どっちがいい?」フィアンマ「どっち、も」
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6: ◆RxERbt62ozsf[saga]
2014/08/17(日) 23:25:54.36 ID:oyMdLABn0






「助けてくれたのかと思ってたんだがな、こっちは」
「俺様はもう誰も助けない。……瓦礫掃除をしようとしていただけだ」
「すげえ綺麗好きだな。感心するぜ?」
「…そう怒るな」

歳の頃は同じで、性格は大人しめらしい。
『人を救う』ことにトラウマがあるようだ。
その結果が先程のトール殺し(未遂)である。
名乗られた名前はフィアンマ。女性名。
やっぱり性別がわからないがどちらだと聞くのも、と思うトール。

「さっきの『腕』は?」
「あまり話したくない」
「ふうん」

列車の切符を買い、乗り込む。
トールは喧嘩相手を捜す宛もない旅だが、フィアンマはどうなのか。
骨折した脚に治癒術式を施しながら、窓の外の景色をちらりと見やった。
推理しようにも相手の情報なんてほとんど持ち合わせていないトールは、素直に聞いてみる。

「お前は何処に向かってんの?」
「何処にも。…何処でも良い」
「自分探しの旅をするには早すぎるんじゃねえのか?」
「そういうお前は何を目的とした旅を?」

切り返してきた。
あまり聞かれたくない話題だったのか。

「喧嘩相手捜し。ま、そっちと同じ…目的地の無い放浪の旅って訳だ」
「そうか、」

フィアンマが相槌を打ったところで、列車が強く揺れた。
既に発車して二駅を過ぎている。次の駅まで当分距離があるはずだ。
線路に石を置くイタズラか何かに当たったか、とトールは首を傾げる。
バジバジ、という激しい音と共に列車が停電する。
既に夕方を過ぎる頃、車内は薄暗いが、車掌の声もしてこない。
が、列車の速度は徐々に増していく。何も告げぬまま。


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