過去ログ - 絵里「遠くの親類より近くの他人」
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40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/08/18(月) 08:47:36.88 ID:rARV+jsx0
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終わりは唐突だった。
ちょっとした不手際。
たった一瞬で、ルンバは死んだ。
がしゃん。
残った紅茶を片づけようとして、絵里はポットを取り落とした。
ポットは机の下を徘徊していたルンバが丁度顔を出したところに直撃し、
彼の脳天で炸裂して紅茶を全身に浴びせた。
ルンバの白鳥の歌が甲高く絢瀬家に響いた。
絵里は真っ青な顔でルンバを抱き上げてその全身をくまなく拭き取る。
ポットの破片が指を傷付けるのも構わず、一心不乱に彼から水分を吸い上げる。
「嘘でしょ」
しかし、彼は目を覚まさない。
ぶっきらぼうに光る顔も、たまに聞かせてくれる鼻歌も、くるくる回る前足も、
しんと静まり返って、蛍光灯の灯りを味気なく反射している。
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