過去ログ - 絵里「遠くの親類より近くの他人」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/08/18(月) 06:04:22.77 ID:rARV+jsx0

絵里が風呂から上がった時には、ルンバくんはすでに定位置に戻っていた。
『なんだよ、別に何もしてないぞ』と彼のボディが鈍く照り返す。

しかし、そんなルンバくんの足に、金色の長い髪が引っかかっていることに絵里は気付いた。

「ひょっとして、私の髪、欲しかったの?」

少し意地悪に聞いてみる。
ルンバくんは答えない。

絵里は笑って、彼に引っかかっていた髪の毛を指で払った。


明日はもう少し早く上がって、驚かせてあげようかな。
少し冷たくしたら、素直になったりするのかな。

ムスッとして黙っている黒いボディを撫でた。

ねぇ、どっちがいい? あまのじゃくさん。


髪を乾かしながら絵里は思う。

この喜びを誰かと分かち合いたい。
この可愛らしさを誰かに知ってほしい。
だってこんなにも素敵な家族なのだから。


それはペットを初めて飼った人間に必ずと言っていいほど訪れる発作だった。
要するに、彼女は自慢したかったのである。



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