過去ログ - 希「えりちがウチのことを好き?」
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72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/19(火) 20:23:14.10 ID:rJWUtqUZ0
『希。悪いけど、先に練習行っててくれる?』

あれからも一年生の女の子は決してあそこを去ろうとはせず、
生徒会長である絢瀬絵里と堂々と渡り合っていた。

ウチはといえばひたすらおろおろとしているしかなく、そんなウチを見かねたようにえりちがウチにそう言った。
「でも」と戸惑うウチを、えりちは『いいからっ』と少し強引に送り出した。
その時のえりちの表情は確かめることができなくて、でも今となっては確かめなくて良かったとも思う。

ウチは今更練習に出る気も起きずに、海未ちゃんへと連絡をいれてすごすごと校舎を出てきたところだった。

にこ「でしょうね。希がそんな顔するくらいなんだし」

一瞬、なんのことかわからなかった。
思考があの一瞬のことに飛んでしまっていたから。
にこっちが言っているのはウチの言葉についてなのだろう。

希「顔なんか見えへんやん」

にこ「見えなくてもどんな顔してるかっていう想像くらいつくんですー」

ああ、ほんまニクいわにこっち。

にこ「なにがあったかは聞かないけど……痛いなら泣きなさいよ」

希「そんな弱虫でも泣き虫でもないよ、ウチ」

にこ「はいはい」

ほんっと面倒くさいわねーという声が聞こえて、にこっちの小さな手がウチの頭をぐいっと押して
ウチはにこっちの首元に顔を埋めた。
そういえばにこっちもまだ練習着のままで、ちょっぴり汗の匂いなんかがした。

ほんま、にこっちの言うとおりやね。

ウチは嗚咽を漏らすまいとしながら、そんなことを考えていた。


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