過去ログ - 希「えりちがウチのことを好き?」
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77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/19(火) 22:22:04.77 ID:rJWUtqUZ0
にこ「もどかしいのよ、あんたたち」
そんな日が数日続いたあとだった。
昼休みに、廊下の端っこ、唐突ににこっちに呼び出された。
にこ「希は明らかに絵里を避けはじめるわ、絵里も絵里でずっとそのまま」
にこっちは大層ご立腹だった。
小さな体で腕を組み、ウチが見下ろしているはずなのになんだか見下ろされてる気分になった。
希「……あともうちょっとやねん」
にこ「なにが?」
ウチは答えずに唇を噛み締めた。
言葉にはできない、気持ち。
違う。してはいけない、気持ち。
そのままなにも答えないウチににこっちは痺れを切らしたようにウチの腕を掴み、「いい!?あんたと絵里は――!」
絵里「にこ」
はっとした。
それはにこっちも同じだった。
にこっちは大きく口を開けたまま、言葉だけをどこかに取り落としたみたいに固まっている。
ウチの腕を掴んでいたにこっちの手は力なく落ちて。
少しタレ目なえりちが、今はきりりと眉をあげて、ウチらを見ていた。
ウチはといえばえりちの視線から逃れることができずに、だからえりちがウチの手を掴んできたのにも一瞬反応が遅れてしまって、それに驚いたウチがゆるくその手から逃れてしまっていた。
希「……あ」
えりちの表情が、きりりとあげた眉がしぼんでいく。
それでもえりちは気丈にまたそんな表情を作ると「ちゃんと自分で伝えるから」
もう一度、今度はウチが振り払わないようにか、ゆっくりと、えりちの手がウチの手を包み込んだ。
にこ「絵里……」
絵里「ありがとう、にこ」
えりちはなにか言いたげなにこっちに視線を向けると、微笑んだ。
それを見たにこっちはそれ以上なにも言わずに、ただウチを見た。そして「これが最後のお節介だからね!」と言いながら、ウチとえりち、二人の背中を強く押し出した。
えりちはそれを力にするかのように、握りなおしたウチの手を引いた。
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