過去ログ - 希「えりちがウチのことを好き?」
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79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/19(火) 22:31:37.86 ID:rJWUtqUZ0
絵里「……どうして?」

ウチの手を握るえりちの手の力が、こころなしか強くなった気がした。
ウチは、無言のまま少し背の高いえりちを見上げた。
えりちはまっすぐとウチを見ていた。

絵里「――なんて、散々にこの話を聞いておいてこんなこと聞くのは少し、ずるいかしら」

ずっと気の張ったような表情をしていたえりちが、ふと相好を崩した瞬間だった。
思わず、その微笑みに視線を奪われてしまう。

絵里「希」

えりちの手が、ウチの頬をそっと撫でていく。
その感触に、体が震えた。

絵里「私は希が好きよ」

そんなはずはない。
ありえるわけがない。

ずっと、ウチの中で否定し続けたことを。えりちは口にした。
あまりにも真剣な顔をして。
その顔を見た途端、言葉が聞こえた、途端。ウチの視界はゆっくりと揺れ始める。

それに気づかれたくなくて、ウチはえりちから再び視線を逸らして俯いた。

希「……ウチじゃだめなんよ」

絵里「えっ……?」

えりちの手が、ウチの熱くなった頬から離れた。
それでも握った手のほうは、やっぱり離れなかったのだけども。

希「ウチじゃきっと、役不足やろ?えりちにそんな好きって言ってもらえるようなもん、持ってへんし」

えりちにはもっともっと、ウチなんかよりいい人がいる。
モテモテなんやし、その気になればすぐに恋人でもなんでもできるはずやん。
ウチなんか――

そこまで、口にして、ウチは固まる。
えりちは怒っていた。真っ赤な顔をして。そうしてえりちは――泣いていた。



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