過去ログ - 叢雲「落ち着きが無いわね。大丈夫?」グラハム「私は我慢弱い」
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108: ◆WHzNz9zb1A
2015/01/18(日) 03:32:52.96 ID:Z51wJq0AO
 あまりにぎこちない叢雲の動作に、三人は慌てた。
 よもや危惧していた完全な足手まといになるとは、口にしていた曙ですら本気で思ってはいなかったからだ。
 この明らかに過度な動作不良は、実のところグラハムのイメージに問題があった。
 艦娘の抜錨状態とシンクロした提督の精神と肉体の負担の強さは並々ならぬもの。
 その状態から行った彼女への干渉のイメージを、あろうことかMSの操縦と重ね合わせて行っていたのだ。
 故に送られた力はそのイメージに合わせて彼女の四肢に干渉。
 内部の妖精と叢雲の間の伝達を阻害する原因を生み、艤装の効果を著しく弱めていた。
 一般的に重機や車の運転と重ねるイメージが過干渉の原因になると言われている。
 なまじ人型兵器たるMSの操縦と、エースパイロットの意識で同一にしてしまったのが、不運であった。


曙「ばっかじゃないの!? まともに動けないのに此処まで来るなんて!」

『マズいな、伝えていたよりそっちの戦線が手前すぎたのもあるが……!』

綾波「行きますよ曙!」

磯波「このままじゃ叢雲さんが危ない!」

曙「ちぃっ……!」


 此処で最も危惧していたことが起きる。
 三体の深海棲艦が、三人を迂回して叢雲を攻撃しようと転進したからだ。
 彼女と三人の間には、まだ相応の距離があった。
 まだ相手の砲撃も到底届かないが、それも時間の問題だ。
 叢雲は波に足を取られて尻餅までついている。
 あれでは、逃げようも無いのだから。


曙「こっちよ化け物! あんたらの相手は私達でしょう!?」


 砲を放ち、何とかして動きを止めようと気を引く三名。
 だが獲物を見据えた敵の動きは変わらない。見向きもせずに一直線に叢雲へと接近していく。
 焦燥が喉を焼く。もし水面下に引きずり込まれたら、自分達の力では助けられないかも知れない。
 速度を出して先に叢雲の下へと向かおうとするが、どうしても先に動いた相手の方に分があるようだ。
 当たれ、当たれ!
 頼むから、当たってくれ!
 縋るように祈って引き金を引いても、最高速でぶれる砲口は狙った的を大きく外れてしまう。

 そして、紅いオーラが軌跡を残しながら、飛びかかる。

 座り込んで動かない、叢雲目掛けて、無慈悲なまでに。


曙「駄目ぇぇーーーっ!!!」


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