過去ログ - 叢雲「落ち着きが無いわね。大丈夫?」グラハム「私は我慢弱い」
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◆WHzNz9zb1A
2015/01/18(日) 04:53:23.94 ID:Z51wJq0AO
それを【受け取った】瞬間、叢雲はまだしゃがんでいた。
一度は立ち上がったものの、イ級の砲撃で揺れた水面に足を掬われた為だ。
それに覆い被さるようにエリートのイ級が襲いかかる。
絶体絶命、本来ならば。
叢雲は、自然に身体が動いていくのを感じていた。
叢雲「……!」
水面に触れる靴型船底艤装を最大加速させ、相手の跳躍の内側に身をちぢこませ潜り込む。
マスト槍を抱きかかえ、立てながら懐の下を潜り抜ければ、穂先はイ級の顎下から腹先までに、【力】を込めた先端を押し当て引っかかる。
それを腕で強く抑え、自分の身体の動きと相手の動きに合わせて、強く支える。
そうすれば自分から振る必要はない。
相手は自分の動きで自らマスト槍に当たりに行き、柔らかな腹を裂かれていく。
思わぬ反撃を受けたエリートイ級は、力無く水面に叩きつけられた。
叢雲「……えぇいっ!!」
立てた槍が抜けたと同時に、前に突き出す。
真っ向から現れた二番目のイ級が飛びかかる前に、鼻先目掛けて槍を置く。
身体は立てない。代わりに強く足を踏ん張って、真正面からイ級を迎え撃つ。
二体目のイ級の額に穂先が見事に突き刺さる。弾ける火花が黒いボディを白く焼き、イ級は石化しながら身を反らし沈んでいく。
だがマスト槍に負担がかかったのだろう、柄にまで響く衝撃で中程からへし折れてしまう。
まだだ。役に立たなくなった槍を投げ捨て、イ級を迎撃した衝撃を僅かに利用し、下がる。
腰の砲を構え、撃破したイ級の上に狙いを定めれば、ほぼ同時に三匹目のイ級が飛び上がり、彼女目掛けて落下を始めていた。
猶予など無い。一心不乱に引き金を引く。
念じれば放たれる12.7cm連装砲の砲弾がイ級の顔面に浴びせられる。
だが、止まらない。
叢雲「っあ……!!」
慣性に従い落ちてくる巨体に弾かれて、白く小さな叢雲の身体は容易く海面を転がった。
防御に使った魚雷発射管はひしゃげて曲がり、撃つことは出来ない。
ならばと、体勢を立て直す間も惜しんで砲を放った。
叢雲「沈めぇええッ!!!」
既に虫の息の深海棲艦の胴体を、次々に砲弾が舐めていく。
断末魔の咆哮を上げながら、イ級の身体は白くひび割れて砕け散った。
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