過去ログ - 叢雲「落ち着きが無いわね。大丈夫?」グラハム「私は我慢弱い」
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218: ◆WHzNz9zb1A[sage]
2015/05/14(木) 05:08:25.46 ID:WOuYuSWAO


「――…………」


 瓦礫に埋もれた大浴槽の中心で、膝立ちのまま浄化水を掬い上げ身に浴びる。
 伝う水は薄桃色のセミロングから華奢な肩を流れ、控えめな胸元から艶めかしいラインの腹部を濡らしていく。
 丸く引き締まった臀部から大腿部にかけては、若々しく瑞々しい肌の張りが遠くから見てもはっきり解るほど。

 ちょうど崩れた天井からは、月光がスポットライトのように彼女を真っ直ぐ照らしている。
 春も半ばでまだ冷たかろう浄化水を塗り込むように、掬っては掌と肌をこすり合わせていく。

 さながら、舞台に上がった裸のプリマドンナ。
 気配を殺しながらも、この目は突然現れた来訪者に釘付けになっていた。


グラハム「…………」

グラハム(叢雲、ではない)

グラハム(何者だ……彼女も、艦娘なのか?)


 壊れた浴槽に僅かながら溜まる浄化水は、先ほど辿った小川とは別の水道も含めたものらしい。
 侵入者という自覚はあるらしく、辺りをぞんざいに見回して警戒する素振りは見せているが。
 時折、冷たさに小さな肩を震わせ吐息を洩らす。
 それでも、彼女は繰り返し繰り返し、この清めの水を浴び続けていく。

 一心不乱に。
 祈りのように。


グラハム(……)


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