過去ログ - 叢雲「落ち着きが無いわね。大丈夫?」グラハム「私は我慢弱い」
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224: ◆WHzNz9zb1A[saga]
2015/05/15(金) 04:30:10.88 ID:WBJqKoBAO
 思い出すのも恥ずかしい失態だ。
 どうやら外套や衣服の汚れを落とすために擦り合わせた音を誤認していたと思われる。
 皆の一言を一斉に浴び、右手で古傷ごと顔を覆い隠した。

 あぁ、くそっ。
 こんな感覚、何年ぶりになるだろうか。
 絶望と連ならない恥の感情など、本当に久しい心地がする。


スレッガー「……ま、それはおいといて……だ」

スレッガー「陽炎型でリボンタイ、薄ピンクの髪っつったら……一人しかいねえよな」


 一転して、顔を引き締めた大佐が二人の顔を順に見た。
 既に察しが付いているのだろう。二人も頷き、眉を顰め険しい表情をしている。


スレッガー「なぁ、グラハム」

グラハム「! 何でしょうか、大佐」

スレッガー「敬語止めろって。今からお前さんとこの鎮守府に行くけど、暇か?」

グラハム「……時間はある。どうせ出撃は出来んからな」

スレッガー「そうか。なら早いとこ声かけとかねえと……な」


 事態が動き出した予感に、渦中にも関わらず蚊帳の外のむずがゆさが加わる。
 三人はそれぞれ携帯端末(薄い板状のタッチ式端末、実にレトロチックだ)を取り出すと、自分の艦娘達に連絡を取り始めた。
 中佐の二人は鎮守府にいる部隊のようだが、大佐は【彼女たち】にかけたらしい。
 それを胸ポケットに収めてから、帽子を被り直してまた呟く。


スレッガー「間に合ってくれりゃあいいが……」


 その言葉の意味を理解したそのとき、私は今この瞬間の私の愚鈍さを呪うこととなる。


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