過去ログ - 叢雲「落ち着きが無いわね。大丈夫?」グラハム「私は我慢弱い」
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281: ◆WHzNz9zb1A[sage saga]
2015/11/09(月) 00:50:02.94 ID:hKXGv7fZo
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「行きましたか」

「ああ、行った」


 光の差さぬ下水の闇、先ほどのロ級の漂着場所から見れば目と鼻の先。
 大きく口の空いたトンネル状の排水口を奥から眺めるは、二人のケンペイ。
 イカマントとも呼ばれる憲兵隊官給マントに身を包んだ小柄な少年ケンペイは、同じくマントを羽織る長身の浅黒い肌の青年ケンペイを見上げて、笑った。


「見事ですね、彼女らはアレの痕跡を辿れませんでした」

「いつもやっていることだ、今更褒めるな」

「当たり前にこなせるから賞賛の価値があるんですよ」

「おだてられても木には登らんぞ……それに、一人、気づいていた」

「ええ、千歳=サンですね」

「彼女はドレル大佐の立場を理解しています、ややこしいことには近寄らないようにとの判断でしょう」

「ありがたいことだ、おかげで仕事が捗る」


 二人は振り向く。下水道の奥、本来なら漆黒の虚ばかりが広がるはずの場所を。
 そこには、どす黒く腐って崩れ落ちたコンクリート壁と、本来無いはずの、その先の空間。
 舗装された、幅5メートルの長い長い【道】が延々と延びていた。


「運のない……いや、むしろ幸運だったのでしょうか?」

「さてな。だが私たちには関係ないことだ」

「彼女のこれからは、我々が作るものではないのだから」

「……重々、承知を」

「対象はロ級との交戦で負傷していると推測される。可能なら保護するが、だがもし抵抗されたなら……」

「我々のやり方で、ですね」

「何時も通りだ」


 穴から【道】へ、滴り落ちる汚水を避けつつ降り立つ二人。
 二人の顔には、かたや銀褐色の金属メンポ。
 かたや黒褐色の特殊繊維メンポが瞬時に形成されていた。

「行こう、ドレッドノート=サン。時間だ」

「ええ、スローンズ=サン。少し急ぎましょう」


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叢雲「脱走艦の居場所が分かったぁ?!」

グラハム「シーッ……!!」

叢雲「っ……!!」




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