過去ログ - 叢雲「落ち着きが無いわね。大丈夫?」グラハム「私は我慢弱い」
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38: ◆WHzNz9zb1A[sage]
2014/08/30(土) 05:05:41.01 ID:Ne73roXAO
――呉基地内部・特別収容施設――


 現在午前五時。彼はいつものように目覚ましもかけず、ぴったりこの時間に起床した。
 大きな欠伸をして、関節を軽く鳴らしてからベッドを降りる。
 未だ繋がっている手錠を一瞥し、小さく笑んで息を吐く。
 慣れたつもりでいたのだが、やはり不便には変わらないな。そんなことを思いながら、彼は自分の強がりを自覚し、自嘲していた。
 部屋に備えられた洗面台に立ち、一通り身なりを整える。急ぐ理由は無い、が、何事にも急がねばいられない彼は、それすら時を惜しんで消化する。
 髭を剃り終え。ムースを洗い落としてから、ふと鏡を見詰めた。
 右顔面に広がる火傷痕が、厭でも目に付いた。
 触れてみれば、治らない肌の凹凸を指が感じ取る。
 こうなってから人はあまり近寄りたがらない。女性には特に忌避された。
 そんな【過去】を思い出して、彼は一言呟いた。

グラハム「……おはよう、グラハム・エーカー。今日もいい男だ」

 彼の朝は、そんな皮肉から始まる。


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