過去ログ - 叢雲「落ち着きが無いわね。大丈夫?」グラハム「私は我慢弱い」
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87: ◆WHzNz9zb1A[sage]
2014/11/16(日) 05:56:20.52 ID:sXdg96BAO
憲兵中尉「幕末時代の革命家にしてサムライ、ヨシダ・ショーインのハイクですね」

グラハム「こんなことをしでかせば、この様な結末を迎えることは明らかだった」

グラハム「それでもやらずにはおれなかった……その心こそが大和魂である、と、鎖国の時代に密出国しようとした彼は詠んだのだ」

グラハム「少し意味合いは違うかもしれない。言葉が広義になれば意味合いは時代と共に変遷するものだからな」

グラハム「だが、己が身を危険に晒すと理解しながらも、矛を携え危機に立ち向かう君の志……まさしく大和魂と呼ぶに相応しい」

叢雲「っ……」

グラハム「吉田松陰は辞世の句としてもう一つ、大和魂を詠んでいる」

グラハム「身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留め置かまし 大和魂」

グラハム「……かつての勇敢なる帝国軍人の大和魂は、君という姿で今に残っているようだ」


 彼は立ち上がり、私に右手を差し出す。
 その顔からは笑みが消え、真剣な表情へと変わっていた。


グラハム「叢雲、改めて私から君に頼みたい。縁(よすが)も無い、自由も無い。このような異世界からの漂流者が道を切り開くには、提督として戦う以外選択肢は無い」

グラハム「君の力が必要だ。私と共に戦ってほしい、暁の水平線に勝利を刻む為に!」

叢雲「…………」

グラハム「…………」

叢雲「ほんっとう、仰々しい言い方。呆れちゃうわね」

グラハム「……よく言われるよ。演劇じみた語り口調だとね」

叢雲「一つ、聞かせて頂戴」

グラハム「何なりと」

叢雲「あなたの戦う理由。まだ聞いてなかった」

グラハム「か弱き人々の安寧と未来の為に」

叢雲「……ふふっ……」

グラハム「おかしい、か?」

叢雲「いいえ、何となくだけど、そんな感じだと思ってたから」

叢雲「ま、せいぜい頑張りなさい。グラハム・エーカー司令官?」

グラハム「提督として微力を尽くすことを今此処に誓おう、よろしく頼む。叢雲よ」

 差し出された手を取り、固く誓いの握手を交わす。
 自らの戦う理由を反芻しながら、この男と共に戦うのだと、少しずつ追いついてきた実感と共に、大きな手を強く握り締めた。


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