28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/22(金) 15:58:22.58 ID:mkWoKoJR0
僕はこの説を素直に受け止めることができた。
僕が昨日出したヨーグルトが元をたどれば僕の血液だとすれば、ヨーグルトを出した時にくらくらしたのは貧血だということだし、何より生命の神秘というものを僕は信じていた。
なんとなく過程がつかめると原因がわからなくても安心してしまうのが人の常で僕も例外ではない。
それからは再び穏やかな日々を過ごすことができた。
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/22(金) 15:59:19.26 ID:mkWoKoJR0
それから一ヶ月がたって相変わらずヨーグルトを噴き出し続けたがその間にもいろいろなことがあった。
僕が初めてヨーグルトを噴き出した日、その日バイトが休みになったところの原因である店長の親戚が倒れた理由というのが股間からヨーグルトを噴き出したことによる貧血であるということを店長が笑いながら話してきた。
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/22(金) 16:00:24.53 ID:mkWoKoJR0
笑い事ではないと怒りを覚えながらも日頃摂取しているヨーグルトのカルシウムのおかげでクールに応対し不審に思われながらもなんとか店長の親戚の連絡先を聞き出すことに成功した。
バイトが終わってすぐに店長の親戚に連絡し会う約束を取り付けたんだ。
その時のどきどきは下着をつけないあの子を初めてデートに誘った時のようだった
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/22(金) 16:01:12.19 ID:mkWoKoJR0
約束の日まではあっという間だった。
待ち合わせ場所の喫茶店で店長の親戚を待っていると、待ち合わせ時間きっかりに彼は来た。
彼との会話は僕にとってかなり有意義な時間となった。
そこでわかったことを挙げるときりがないから2つだけおしえると、
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/22(金) 16:02:53.31 ID:mkWoKoJR0
この話を聞いた時僕は、男はヨーグルトを作って女はフルーチェを作るんだなあ、なんてことを考えていた。すると彼は身を乗り出してきてこんなことを言ったんだ。
彼は今とある有名な博士と組んである実験を行おうとしている。それに協力しないか、といったことだった。
その名前を聞くと、血液がヨーグルトになるという説を発表したあの博士だったから僕は二つ返事で引き受けた。
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/22(金) 16:04:10.77 ID:mkWoKoJR0
こうしてプロジェクトに関わることになった僕は、博士とも直接会った。
その人は僕が想像していたような偉い人をそのまま再現したような人でヨーグルトのような真っ白なひげを蓄えている老人だった。
僕と博士はお互い、子供の頃カスピ海がヨーグルトでできていることを信じていたということで意気投合した。
彼はカスピ海をヨーグルトで埋め尽くすのが夢だと少年のような目をして語った。
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/22(金) 16:06:16.22 ID:mkWoKoJR0
それからはプロジェクトの準備が忙しく気づけばプロジェクト決行の日が目前に迫ってきた。
プロジェクトに参加するために僕はバイトでためた貯金を崩してイラク行きの飛行機に乗ってそこから電車を乗り継いでカスピ海までやってきた。
道中イラク人たちはみんなヨーグルトを食べていて心が踊った。
35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/22(金) 16:06:57.75 ID:mkWoKoJR0
博士と店長の親戚が後ろから声をかけてきてプロジェクトの成功を誓い合った。
店長の親戚は別の場所で参加するそうだ。
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/22(金) 16:09:27.02 ID:mkWoKoJR0
やがて拡声器から博士の威厳ある声が流れてくる。
今回のプロジェクトの目的はY.F.S患者である皆さんを治療することであり――
そもそもY.F.S患者のみなさんが出すヨーグルトはカスピ海ヨーグルトに近く――
カスピ海ヨーグルト菌を故郷であるカスピ海まで連れてくることで――
では成功を祈って――
37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/22(金) 16:10:19.89 ID:mkWoKoJR0
三擦り半でヨーグルトを吹き出す人もいれば、なかなかヨーグルトを噴き出すに至らない人もいる。
博士はその様子をマイクのあるやぐらから嬉しそうに見ている。
岸から白い噴水が噴き上げ、カスピ海がヨーグルトに、白に染まっていく。
そんな幻想的な光景を見ながらやはりカスピ海ヨーグルトはカスピ海で取れるのだ、僕は正しかったのだとすこし誇らしげに思った。
そうしているうちに僕もヨーグルトを出した。
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