41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/03(水) 13:59:26.41 ID:ZhA2i8PA0
面倒なことを受け持ってしまった。
私は教室を出て、職員室へと向かう。
早退させてもらおう。
教師も、今の私には腫物を触るみたいな対応しかしないだろうから。
動きやすいと言えば、そうだ。
職員室で事務処理中の柏木先生に声をかける。
「みどりさん、どうしましたか?」
「気分が優れないので、早退させて欲しいのですが」
「頭痛や腹痛はありませんか?」
柏木先生は、椅子から腰を浮かせて私のおでこに手を当てた。
「ええ、それはありません」
「症状はいつ頃から?」
「今朝からです」
「そうですか」
柏木先生は横髪をかけ直して、私をじっと見つめてくる。
空港の保安検査でもされているような気分だ。
「お母さんは、ご在宅ですか?」
「いえ、パートに出かけています」
「でしたら、私が送りましょう」
「けっこうです」
きっぱりと言い放つと、先生は一瞬眉間に皺を寄せた。
「途中で倒れてしまったら、どうするんですか?」
そして、心配そうに、私の手を握ってくる。
どうやら善意で言ってくれているようだ。
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