過去ログ - 阿笠「できなかったぞ!!」コナン「できなかったのかよ!!」
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36:ドンペリ太郎
2014/08/27(水) 00:02:55.33 ID:2re73vda0
   〜エピローグ〜

   雨は三日間降り続いた。気象庁でも例を見ないほどの強い雨だった。

   歩美の助けた老婆は話によると風邪をこじらせたらしい。雨に打たれたのが原因だろう。

   元太の両親は三日三晩元太を探していたようだ。

   元太の存在はすでに抹消されたというのに。この滑稽なさまを元太はどう思うだろうか。

   途中、元太の母は石段から滑って左足と腰を骨折した。入院先の病院には夫がいた。
   
   どうやら彼もスリップした車に追突されたらしい。

   これはまだ小嶋一家に降りかかる不幸の序章にすぎないのだろう。

   熟年夫婦は白い天井を見上げながら、安心したように眠りについた。


   ******************

   水たまりが日光を反射する。淡い光に照らされた瓦礫の中に少年の死体があった。

   少年は死の間際何を思ったのだろう。「不幸にならずに済む」とでも思ったのだろうか。

   この状況で少年を見つけるのは容易ではない。そんな場所まで蹴り飛ばされていた。

   運よく友人に見つけられたとしても、恐怖で逃げ出すか、あるいは少年だとわからないだろう。

   長い時間風雨にさらされた身体には、蛆が湧いていた。
 
   少年はヒトの形を保った肉塊になっていた。全身の血は雨と一緒に排水溝に流れていた。
   
   肉塊は、このままずっと一人なのだ。
  
   
   その少年のスニーカーの靴底は異様に綺麗だった。

                         FIN


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