7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/25(月) 19:16:57.12 ID:NU4W5xRz0
対異世界人のためだけに開発された力『超能力』。
どちらにせよ滅びる運命なら人間の枠を捨ててでも抗おうと考えた人類の指導者たちは、様々な非人道的な方法で俺たちを産み出した。
俺たち超能力者は異世界人の血を飲むことで生き延びることができる。
人間が最も貪欲に本能を発揮することができるのが『飢餓状態』にあると結論付けたからだ。
実際、それは大正解で、それ以前の方法では改造人間一体につき異世界人数人殺せれば上々だったのが、今ではその十倍は功績を残している。
ただ、俺たちは異世界人の血を吸うたびに自分が人間ではないことを悟り、暗く深い闇の中へ心を沈めていった。
友「ランキング1位の女、知ってるか?」
男「ああ、姫だろ。今アメリカあたりにいるらしいけど」
友「あいつが何で姫って呼ばれているか知っているか?」
男「さぁ、写真見た限り姫にふさわしい見た目ではあったけど?」
友「まぁそれもあるだろうけどな」
友は少し見下すように笑った。
彼がそんな風に息を漏らす時は、決まって俺たちの創造主様を皮肉る時だ。
友「姫の異世界人討伐人数“1万人”を超したらしいぜ」
男「いちま……」
現在ランキング3位、超能力の中でも最も異世界人を殺すのに向いている“分子操作”を使える俺でさえ実戦配備されてから一年間で100体しか殺せていないというのに……。
友「ま、姫は姫、俺たちは俺たちだけどな」
じゃあ言うなよ。
俺は言葉に出さず視線で訴えたが、友は気にした様子もなく地上へと降り立った。
俺も彼を追って地上に出る。
地球人救助という名目の“異世界人狩り”が始まった。
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