21:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/25(月) 23:18:42.80 ID:HDd5UF4lO
「お前がアイツの出版を手伝ったのなら、アイツをわざと逃がすだろうと思っていたんだ」
「そうでしょうね。
アイツは私の父親について、色々と本に書いたみたいですから」
「ああ。あれを読んだときお前が協力したのではと、疑った。
そうでなければあんな内容は書けないと思ったんだ」
「よく考えてみて下さい。私は当時6才だったんですよ。
親父についてなんてほとんど知りません」
「そうかもしれない。
だが、違うかもしれなかった」
五代目は再び俺を見た。
「お前が聞いた衝撃的な話というのは、サクモのことか?」
「そうと言えばそうですが、少し違いますね」
「少し違う?どういう事だ」
「親父が里中から非難され、助けた仲間からも罵られたことは当時からわかっています」
茶色く透き通った瞳が少し揺れ、五代目は下を向いた。
「私が聞いたのは、誰が私を人買いに売ったかということです。
親父が死んだ直後、6才の時に一度、私は人さらいにあったことがあるので」
ああ、と五代目は答えた。
どうやら知っているようだった。
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