26:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/25(月) 23:27:07.13 ID:HDd5UF4lO
忍犬をキョガクの捜索にあてなかったのは、心当たりがあるからだ。
近くの森から、なにやらおかしなにおいがする。
おそらく毒物であろうにおいをたどり、俺はにおいのもとにたどり着いた。
森の奥にはキョガクともう一人、あの男が待っていた。
「アンタは昨日の」
護送班から逃げ出した男が、キョガクの首を後ろから絞め、ひきつり笑いを浮かべていた。
「へ、へへっ、待ちくたびれたぜ」
「なにをする気だ。キョガクさんを離せ」
「キョガクさん?さんだとよ。本当に気がついてないんだな」
「何をだ」
「こいつはア、アンタの父親のカタキなんだぜ」
呼吸が止まった。
それはキョガクの方も同じだったらしい。
その様子だけで、俺にとっては十分だった。
「ホントのことをさ、教えてやれよ。へ、へ」
「違うんだ。私のせいじゃない……」
「なにが違うんだよ。
この人を、人買いに売り飛ばしたのもアンタなんだろ?」
「いや、それは」
俺は気がつかない間に、殺気を出していたらしい。
森のざわめきがピタリとやんだ。
「ひっ……。違う、俺のせいじゃない。
アイツが……アイツが勝手に俺達を助けたんだ!」
俺が何も言わないのを良いことに、キョガクはベラベラと喋り出した。
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