66:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:45:32.34 ID:57lCD6A/O
「俺がはやがねキョガクの息子、はやがねドウタクだった時のことだ」
ゆらゆらと飛ぶ蛾を、ネイチは見ているらしい。
「ある任務で親父がミスを犯した。
おそらく死ぬ運命だった。
そんな親父を、木の葉の忍は見捨ててきた。
俺はその木の葉の忍に言ったんだよ。
「人殺し」ってな」
ネイチはなぜかにやつきながら話している。
その理由がなんとなく俺にも分かる気がした。
「自分の息子と似たような年の俺に、そんなこと言われてショックだったんだろう。
なんと、そいつは任務先に戻って親父を助けてきやがったんだ。
里に大きな損害を出してな」
「その木の葉の忍ってのは、はたけサクモのことだな」
「ああ。
木の葉の白い牙はガキの言うことに振り回されて、自殺に追い込まれちまったんだなぁ」
俺は何も答えなかった。
「ウチの親父もアンタの親父と同じくらいバカでね。
白い牙が死ぬ直前に、とどめさしに行きやがったんだ。
どうして俺を助けたんだって、白い牙に怒鳴ってた声が聞こえたぜ。
追い詰められたアンタの親父は自殺した」
「そして、今度はお前の親父さんが標的にされたんだな」
「ああ、里中から非難されたよ。
親父も追い詰められて、腹いせにアンタを人買いに売り飛ばそうとした」
「腹いせね……」
汚い、という言葉がぴったりな気がした。
キョガクの感情にあまり違和感を覚えない俺も、薄汚れているのだろうと思った。
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