70:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 00:51:39.23 ID:57lCD6A/O
「リンと別れたのは、俺が8才の頃でリンが6才の頃だった。
アイツの方は俺のことを覚えちゃいないだろうが、俺はアイツがよちよち歩きした時から知っていた。
そして恨んでいた」
暗い目をしながら、ネイチは話続けた。
「俺は他里で名前を変えてまで生きているのに、お前は木の葉で何事もなく親父やお袋と暮らしているんだろう。
そう思ってた。
だから、リンを身代わりにすることに罪悪感はなかった」
「リンを……連れていったのか」
「ああ。けど、木の葉にたどり着いた俺は驚いたよ。
リンの名字はのはらに変わり、アイツは親戚と一緒に暮らしてた。
俺を見て、アイツは驚きながら泣いた。
そして笑った。
花が咲いたように笑った。
俺は懐かしさに、胸を潰されそうになった」
俺の頭にもリンの笑顔が浮かんだ。
「リンは俺が兄だと最初から気づいていた。
俺はリンから親父やお袋のことを聞いた。
親父は俺やアンタを売り飛ばしたあと、アンタが戻ってきちまったんで、慌てて忍者を辞めて里を離れたらしい。
結局アンタが何も証言しないもんだから、容疑者にはならなかった」
証言しなかったのではなく、出来なかったのだ。
当時、俺はなにも話せなかった。
今でも話せないのは変わらないし、マスクも外すことはできない。
それに、キョガクが犯人だと俺は知らなかった。
きっと証言は無意味だった。
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