74:オータ ◆aTPuZgTcsQ[saga]
2014/08/26(火) 01:01:26.38 ID:57lCD6A/O
ネイチは訳がわからないという顔で、さらに怒鳴った。
「アンタなんかと俺が似ててたまるかよ!」
「分からないならそれでいい。
ただ、俺にはもうここにいる理由はない」
「なんだと……」
「お前、俺に殺されるつもりだったんだろ?」
一瞬目を大きく開き、ネイチは薄笑いを浮かべた。
「へへっ……なに言ってんだよ」
「悪いけどな、俺はお前を殺す気はないよ」
「……アンタ、俺が憎くないっていうのかよ」
「憎いね。だからぶん殴ったでしょ」
「ふざけんなよ……アンタにとってその程度のものなのか!?
白い牙が死んだのは俺の親父のせいなんだぞ!
リンがアンタの前に飛び込んだのも、俺のせいなんだぞ!
アンタ自身がそう言ったんだ」
俺は無言でネイチを見た。
ネイチは顔をひきつらせた。
「……ッ!」
再び背を向けて歩き出す俺に、ネイチは怒鳴った。
「……それでも、俺はアンタが憎い!」
ネイチはクナイを構えて走り出した。
俺は振り返り、よけずに受け止めた。
鋭い刃が腹に突き刺さる。
「なっ……!」
「……これで、チャラだ。
いいよな?」
刺さったクナイを引き抜き、床へ放り投げた。
「サイウさんを迎えに行ってやれよ」
俺は地上へと続く階段をのぼった。
ネイチは追いかけて来なかった。
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