過去ログ - 真姫「ありふれたしあわせ」
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76: ◆Y8r3fq/FrY[saga]
2014/08/30(土) 16:21:20.19 ID:7I3p+aNRO

「どういうこと?」

「なんでもないんよ?ただ真姫ちゃんは無理してるんじゃないかなぁって思っただーけ。」

「私は無理なんかしてないわよ?」

「じゃあうちが真姫ちゃんの取り皿にどんどん肉のせてるのいつになったら気付くん?」

「ヴェ?」

目の前には山盛りの焼けた肉。
こんなの私一人じゃ無理よ……

「冗談やから安心してな、うちも食べるから!」

「そりゃそうよ!」

「おっ、少しいつも通りやな!」


私は幸せ者だ
こんなに私に優しくしてくれる人がいるんだから。

「私はいつも通り元気よ!まずいつもどおりって何よ!」

網の上にあるねぎ塩タンをパクっといただく!

「あー!それはうちの!もう真姫ちゃん!」

「うふふ!油断するのが悪いのよ!」


たまにはこうわいわいした食事もいいわね。
煙を浴びながら食べるお肉ってのもいいわね。



そして帰り道。
私は………

(それは違うのこっちが正しいのよ……)

車の通りの多い交差点。
見通しの良い道は街明かりに照らされていた。
車の走る音の絶えない道。
こんな騒音でも私は眠気と戦いながら信号が変わるのを待っていた。


「真姫ちゃん眠たそうやね?」

「すこし……ね……」

頭がぼーっとする。

目の前には希の微笑む顔。

癒される。

まどろむ。

遠くから聞こえる劈くような激しいエンジン音がなければ幸せな空間だったはずだ。

「真姫ちゃ〜ん、とろーんとした顔してどうしたの?家までおくろうか?」

「大丈夫よ………」

「心配やわ……真姫ちゃんの大丈夫は大丈夫じゃない気がしてな……」

「本当に…大丈夫………だか……ら………」

その時私は意識の中で何かが音を立てて倒れるのを感じた。
ゆっくりと崩れ落ちるかのように倒れる自分の体。
希にぶつからないように避ける。
それが精一杯だった。








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