過去ログ - 玄「お母さんの」宥「リドルストーリー」
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◆CVF0ZO0wUo
[saga]
2014/08/27(水) 00:25:45.48 ID:JKYWmZW+o
今のやり取りにしても、晴ちゃんのことだから、若い子は難しいとでも考えているに違いない。
憧れていることは、わかってくれていると思う。
けど、この恋愛感情に限りなく近い、しかし恋ではない不思議な思慕にまでは、気づいてくれないのだろう。
きっとこのまま、時間は過ぎていく。
私にもいずれ、露子さんのように、この気持ちに見切りをつけるときが来るのかもしれない。
晴ちゃんがプロになり阿知賀を去るときがそうなのか、私が卒業するときなのか、いつになるかははわからない。
でも、それまでは――
灼「晴ちゃん」
晴絵「ん?」
灼「ケーキが食べたい。晴ちゃんと」
晴絵「……うん。ふふ。それじゃあ、どっかカフェに行こう。あ、他のみんなには内緒だぞ。特に憧あたりには」
灼「わかってる」
――それまでは、私は晴ちゃんの傍にいたい。
今だけは、このふわふわした気持ちを大切にしたい。
いずれ私にも、「岐路」に立ち、「選択」をして、選ばなかった選択肢に「哀切」の念を抱くときが来るのだろう。
そういうことが、私にも段々とわかってきた。
でも、それでいい。
それまでは、このままでいい。
車のエンジンがかかる。
ハンドルを握る晴ちゃんを横目に見る。
せめて今だけは、この束の間の逢引を楽しんでおくことにして、私はシートに背中を預けた。
槓
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