過去ログ - 【安価】京太郎「プロになったはいいけれど……」 第35位【アラフォーマーズ】
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◆rVyvhOy5r192
[saga]
2014/11/22(土) 15:10:27.98 ID:qGijvVXBO
「小鍛冶健夜、宮永照、宮永咲、大星淡に勝っといてよー言いはりますわ」
「照さんに勝ったって言っても……あれは小鍛冶プロも居て、それに俺は結局二位確和了で小鍛冶プロが一位ですよ」
謙遜か、或いは本音か。
彼女は青年の言葉がどちらを意味するのか量りかね、次いで口を開く。
「でも、あのタイトル戦でその小鍛冶健夜に勝ったのは?」
「俺一人の力じゃないですよ。大星と、咲が居たから勝てたようなもんで……」
「それを利用できるから一位、なんやと思いますけどね」
「一位、って……」
「これ。結局ボツりましたけど」
船久保浩子が差し出したのは、印刷された一枚の紙。
そこには――こう書かれている。
『M.A.R.S.ランキング1位:“人類の到達点”須賀京太郎
プレイスタイルに縛りはなく、麻雀における人の研いた技術全てを用い、更には卓上の他者の癖も加味して変幻自在に立ち回る。
己一人の力ではなく、外部の力の象徴を剣として戦うその様は、正しく四人でゲームを行う麻雀そのものと言っても過言ではない。
連帯率は六割強。技術が三割と言われる麻雀において、その三割を堅実に広い集めているという結果である。
度々大きな失点や逆転以前に勝負の場に立てないなどといった不運に泣かされる事もあり、13位という順位に甘んじていたが、
この度の、国内無敗の小鍛冶健夜・宮永照両名に土を付けたという快挙から、第1位としてランキングが更新された。
プロデビュー初年度以降、成績がほぼ停滞し順位が固定されてしまう傾向にあるM.A.R.S.ランキングの上位陣においてのこれは快挙であり、今後の活躍が期待される』
「……こんな記事、いつの間に書いたんですか?」
困惑気味な口調の京太郎。
問いかけつつも彼はしかし、第一位という一文については一切の否定の言葉を挟まなかった。
「協会がランク更新するって話を先んじて手に入れて、スクープやなって……原稿書いとったんですわ」
「あー」
「あのあと、まー色々ネットで言われとったから忘れたいと思ってもしょうがないですけどね」
そう呟く船久保浩子の顔は苦い。同じく須賀京太郎も、無言で目線を落とした。
互いに触れるは未だしも掘り下げるべきではないと、同意しているようであった。
「あれは……俺より小鍛冶プロに申し訳ないです」
途切れがちになりつつも答えた彼の言葉も、前後の沈黙に滲んで消える。
他の席の客の話し声、或いは通りを行き交う音の波と窓から射し込む白光に、二人は塗り潰された。
暫しの静寂は、浩子から打ち切られた。
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