47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/27(水) 02:46:37.95 ID:smL+Ivsno
妹は幼い時のことを思い出す。飼い犬と散歩していた時の記憶が蘇る。その日一度、妹は車に跳ねられていたのだった。
コンビニにアイスを買った帰りのことを思い出す。その日も暴走してきた軽に跳ねられたのだった。
妹は既に数度車に跳ねられてる。高いところから不慮に落下している。金属バットで殴られたりしている。
しかし、妹は今まで生きてきた。なぜか。妹が超人だからだ。並大抵のことでは死ぬことはないと、自他ともに認めていた。だから、今日も死ぬことはないと思っていた。
妹「」
地面に臥している妹を見て、運転手の男は青ざめた。目を泳がせながら、しきりに左の袖から覗く虎の刺青をなで回していた。男は一度停止したはずの車のアクセルを再び踏み、動転して逃げていった。夜の闇に消えていくベンツのサイドミラーには震えた手でタバコを吸う男の姿が映っていた。
妹「もうマジ無理……」
妹「何回目よ、私が車に轢かれるの!!」
妹はゆっくり起き上がって制服のスカートの乱れを整えると、走り去る車の後部に向かって呪詛の言葉を吐いた。
妹はやはり生きていた。元来、体が丈夫なのだ。
妹「いやもうちょっと心配してくれてもよかったでしょ!? 淡々と私が轢かれるシーンをナレーションするな!!」
かわいそうなのは妹に命を助けられた少年のほうだった。彼は8mも妹に吹っ飛ばされ、眼を剥いて気絶している。彼も死んではいなかった。彼も案外丈夫なのだろうと妹は思った。
妹「言ってる場合じゃないよ!! だ、大丈夫?」
慌てて少年のもとに駆け寄り、抱き起こした。
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