過去ログ - 【Fate】君達が紡ぐだれかの物語【安価とコンマで聖杯戦争】
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◆JwraddSSjo
[saga]
2014/08/29(金) 18:30:09.62 ID:ORajORV2o
【吸血】
何の想いも抱かずにただゆっくりと近付く。
歩幅はひたすらに小さく。相手に出来るだけ恐怖を刻ませるために。
この足音と迫り来る私こそが、お前を堕落させる存在なのだと誇示するために。
イリヤ「いやああああああ!!!!来ないでえええええ!!!!」
絶叫は止まらない。悲鳴は何処までも心に響き軋ませる。
―――だが止まれない。今ここで立ち止まることこそ否。
更に歩幅を狭ませて遂には、少女を住宅街の果てに追い詰めることに成功する。
貴方「身を委ねろ。一瞬で終わる、一瞬で君は終われる」
貴方「何も考えなくて良い。あるのは堕ちる快楽だけだ」
狂気と殺気、霧は滲み出させながらも、そうして今度はその少女の首元に牙を突き立てた。
イリヤ「あ…」
そこに私が満たされるということはない。ただその行為の価値を求めているだけだ。
空虚も雑念も無い。私は私の道を進むがためにそうするだけなのだから。
涙はもう零れない。剣士の消滅でもう涙は流さなぬと決めた。
されど視界は霞む。零れずとも溜まるものは溜まる。
それを一切表面に出さずに、私はこの少女の血を只管に吸い続けた。
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