31: ◆7SHIicilOU[saga]
2014/09/02(火) 22:40:25.81 ID:4Kk3YZXJo
―――
「あーあー……ほんまに行ってもうた」
ぽつんと部室に取り残されたウチ。
伸ばした手がふわふわと不思議に宙を彷徨ったりして、
う〜ん、思ってたより行動が早いなぁ穂乃果ちゃん。さっすが! なんて。
「あんな焚き付け方したら穂乃果は行くに決まってるじゃない」
どないしよっかな〜、って思っとったら
部室に凛と通る涼やかな声。
「なんや、盗み聞きとはえりちも人が悪いなぁ」
「希には言われたくないわ。……真姫、怒るわよ?」
家の事を理由に詮索を嫌がったときは、触れずに見守ろう。って?
「でも、穂乃果ちゃんならやってくれると思ってまうやん?」
「その根拠はどこにあるのよ? ……って」
「せや、カードがウチに告げるんよ」
片付け忘れたタロット。
表を向いた一枚を手に取りえりちに向けて放る。
「っと……これは?」
「女教皇、二番目の大アルカナや」
正位置の意味は優しさ・理解・清純。
逆位置の意味はプライドが高く神経質でヒステリー。
「それがどうかしたの?」
「正位置と逆位置。それぞれ、誰かさんみたいやない?
正確には、誰かさんの中での、誰かさんと誰かさんみたいやない?」
「真姫の中での、穂乃果と真姫自身……ってこと?」
相変わらず察しがいいなぁ。
自分の事となるとトンと鈍くなるくせに、とは思ってもいわへんけどね。
「真姫ちゃんは、自分でも自覚してないかも知れへんけど
引け目とか負い目とか、感じてるんよ。きっと」
恋人達が『絆』なのか『恋愛』なのかはわからない。
けど、その結果が太陽――『約束された将来』に向かうとウチは信じてる。
「でも、穂乃果一人で行って大丈夫かしら?」
「大丈夫やって。こういう時の穂乃果ちゃんは強いから、それはえりちもよう知っとるやろ?」
「……そうね。そして多分μ'sの中で一番」
「そ。真姫ちゃんが知ってる筈や」
そしてえりちと二人、顔を見合わせてくすくすと笑う。
さてさて、ここからどうなるんやろか?
こればっかりは占いで調べるのは無粋やんなぁ?
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