過去ログ - 真姫「私と彼女の有り方」
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33: ◆7SHIicilOU[saga]
2014/09/05(金) 20:12:54.45 ID:tY1D818Co

―――

 しんと静まった公園。
少しだけ下がった気温と30分程降った雨が空気を湿り淀んだ物にして、
肌に纏わりつくような雰囲気がある。正直嫌いじゃない。

「なにやってるのかしら私」

 散歩と言って、家を出て。
既に一時間程。そろそろ帰らないと口うるさいのがでてくるとはわかっても、
一人暗い部屋に戻る気にはなれない。……勿論、だからといって親の居る居間にはもっと居たくない。

 そろそろどうにか自分で覚悟決めて、吹っ切るなりなんなりしないと
流石に皆も放っておいてくれないでしょうね。

「みんな、優しいから……」

 一人呟いた言葉は湿った地面に向かって行って、
聞いていたのは私と足元でせっせと働く小さな蟻だけ。
深夜に公園で不良が集まるのを防止するために設置された、
モスキート音にも似た甲高い音を発する機械が働く前に帰りましょう。

「見つけたっ!」

 現実逃避にも似た徘徊。それに終止符を打とうと重い腰を持ち上げようとした瞬間。

「穂乃果……?」

 声がした、荒い息と大きな声。聞きなれた、一番聞きたい。一番聞きたくなかった声。
――あなたはいつもそう。狙い澄ましてピッタリなタイミングで、来るのね。



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