48: ◆7SHIicilOU[saga]
2014/09/10(水) 23:19:18.13 ID:vPaWJwwio
顔が熱い、耳も目も、あちこち熱い。
心臓の跳ねる音はドクンドクンと強く聞こえて、
宙ぶらりんの指先はなんだか痺れて感覚が行方不明みたい。
唇が触れるだけのキスでこんなになっちゃうなんて。思っても見なかった。
「……こういう意味よ」
抵抗されないのを良い事にたっぷり時間をかけた後、
ゆっくりと離れて、私はそう言った。
「……」
罵倒されるか、引っ叩かれる。
どっちかだろうと思っていた私の予想は外れ、
穂乃果は口に手を当て顔を紅くしてしばし眼をキョロキョロと忙しなく動かした後。
「っ!」
私に見向きもせず、背を向けて走り去ってしまった。
――ほら、勢いに任せるべきじゃなかったでしょ?
私の中のもう一人の私がそう呟いたのが聞こえた気がした。
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