過去ログ - 女「今日は楽しかったね」男「え!?誰!?何!?」
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20:1 ◆h/8ygxZQYA[saga]
2014/08/30(土) 21:53:14.36 ID:X1u7HrrrO

無事イベントを終え男は打ち上げに参加していた。

ほとんど知らない顔ぶれの中、居場所を持て余していた。

話し相手も居ない状況もあり、さっきまで一緒にいた彼女の事をひとり思い出していた。

物思いにふけっていると、不意に声を掛けられた。


「よっ、また会ったな」


会場で会った同級生Aはグラスを持って男の隣に座った。


「あぁ、同級生A? だっけ。
 ごめん覚えて無くって」


相手を覚えていない事を申し訳無く感じていた。


「ん、仕方無いさ。じゃあ初めまして、かな? 
 高校の時は結構仲良かったんだけどな……」


男の言葉を聞き少し苦笑いしながら同級生A答える。


男が事故に遭ったのは二年前の大学一年の夏。

それ以前の三、四年間の記憶がスッポリ抜け落ちていた。


「ホントごめん」


改めて頭を下げ同級生Aに謝る、その姿を見て逆に同級生Aはいたたまれない気持ちになっていた。


「いや、男が悪いんじゃ無いんだから謝るなって」


過去の友人の優しい言葉が心に染みる。

何も思い出せない自分に苛立ちさえ覚えた。
そんなやり取りが終わり、自分の思い出話を人から聞くという、妙な会話になった。


「二年の冬休みは酷かったぞー。男と男友が……」


自分の事なのに一切現実感の無い話ばかりだった。
興味津々に同級生A
の話に耳を傾ける。
こうして男は自分の無くした約三年を補完していた。

しかし、誰と話しても必ず高校三年の時の話は出てこなかった。

今回の同級生Aもその期間には一切触れる事は無かった。




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