過去ログ - 女「今日は楽しかったね」男「え!?誰!?何!?」
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3:1 ◆h/8ygxZQYA[saga]
2014/08/29(金) 01:26:42.97 ID:FLy4Cen9O

『えっと……あと二十分か。
 結構時間有るな』


ベンチにもたれ掛かり携帯を弄り時間を潰す。

後ろの草むらでコロロと虫が鳴いているのが聴こえる。

月の光が降り注ぐ音が聴こえてきそうな程辺りは静寂に包まれていた。




「男君! 聞いてる?」


女の子の声が静寂を打ち破った。


「えっ!? えっ!?」


一人のはずのバス停で突然名前を呼ばれ、驚き顔を上げる。

さっきまで誰も居なかったベンチの隣にこっちを向いて少女が座っていた。

混乱し目は見開き、顔がひきつったままの唯人に少女は構わず話を続ける。


「今日は楽しかった。
 明後日は……海浜遊園地行こっか?」

『え!? 何? 誰?』


硬直したままの男を放って少女は腕にした
時計に目をやる。


「わっヤバ。もうこんな時間。
 じゃあ明後日、海浜遊園地だよ。
 遅刻しないでね」


ニコッと無邪気に笑い、少女がベンチを立つ。

男は小走りで向こうに去っていく背中を呆然と眺めるしかできなかった。


『え? 夢? 幽霊? 何?』


少女が去っても混乱は続く、冷静さを取り戻そうとその場に立ち上がり深呼吸する。


『落ち着け、落ち着けぇ俺。
 で、誰だあの子? 
 俺の名前呼んでたよな?』


少し冷静さを取り戻し改めて考える。

『いや……絶対に誰も居なかった。
 あれって一体……』


酒を飲んで酔っていた訳でも、知らない間にうたた寝をしていた訳でも無い。

しっかりと現実だった。



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