過去ログ - 女「今日は楽しかったね」男「え!?誰!?何!?」
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◆h/8ygxZQYA
[saga]
2014/08/31(日) 09:44:58.27 ID:jvZ5M2nz0
力無く玄関の扉を開く、部屋に電気は灯っていない。
姉はまだ帰っていないようだ。
街の明かりでかろうじて見える程度の薄暗い中、自分の部屋を進む。
爪先にコツっと何かが当る。
取り上げると、それは出しっぱなしにしたアルバムだった。
目が部屋の暗さに慣れてきた。
開かれたページに写る二人の笑顔が徐々に浮かび上がってくる。
「女……」
一緒に過ごせる時間が残り少ない事を予感していた。
バス停、パーク、そして今日、段々とその存在が希薄になっているのを感じていた。
「もぅ消えちまうのか?」
写真に向かって問い掛ける。
男に寄り添うその笑顔が問いに答えてくれる事はなかった。
眼に涙が滲む。
アルバムを見ようとするが、胸が一杯で直視できない。
そっとアルバムを閉じ、机の上に置く。
ベッドに寝転び思いを巡らせる。
女の存在が現実のものでは無いのは確かだった。
もしかしたら記憶が見せている妄想なのかも知れない。
そんな事は関係無かった、さっきまで隣で笑っていた
存在がかけがえないモノになっていた。
女と過ごした時間を思い出そうと目を閉じる。
「ほんの少ししか話して無いじゃんかよ」
目尻から零れた涙が枕に落ちる。
思い出にするにも余りに時間が短すぎる。
過去の女と過ごした日々が記憶から消え去っている事が心の底から憎かった。
失意に暮れた男はそのまま眠りに落ちていった。
せめて夢では女と出逢える事を願いながら。
「ただいまぁ、男ぉ鍵開きっぱなしだ……ぞ……」
薄暗い部屋の中、男の部屋の扉を開ける。
眠る男を見てその声を静めた。
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