過去ログ - 女「今日は楽しかったね」男「え!?誰!?何!?」
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◆h/8ygxZQYA
[saga]
2014/08/31(日) 13:20:45.25 ID:jvZ5M2nz0
「ゴメン、お待たせ」
振り向きその顔に微笑みが広がる。
記憶の中と全く同じ笑顔だった。
「ううん、大丈夫」
他の記憶は戻らないが、この笑顔が昔から男に向けられていた事だけは思い出していた。
二人はベンチを離れ海の方へ向って歩きだした。
「ここ来るのも久しぶりだな」
男の問い掛けに女が黙って頷く。
「海見えないな……また昼間来ような」
月の光も弱く、辺りは所々にある街灯の下しか見えない。
男の言葉を聞いて女は少し悲しそうにうつむいた。
「男君、わたし」
もうリミットが近付いている。
その事実が女の笑顔を奪った。
「女……」
悲しそうな顔をする女の手を取ろうとする
「あっ」
男の手が女の手をすり抜け空を切る。
女が思わず声を上げた。
「えへっ、バレちゃった……?」
バツが悪そうに笑顔を作り舌を出す。
「女ね、お月様にお願いしたんだ。
また、男君と一緒に居たいって。
でね、力を借りて会いに来てたんだけど、
もう姿を保ってるのが精一杯みたい」
「お前……」
本当のことなんて知りたくなかった。
全てを知ってしまったら消えてしまうと思っていた。
でも知ってしまった。
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