18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 01:41:36.21 ID:Gqx9SXLWo
  
  階段を上ってくる足音で気付いて振り向くと、 
  新しいトレイに紙カップを二つ載せていた。 
  片方にはでかいスプーンが突き刺さっている。 
  
  ……その、私を見つけるとすぐ、 
  いつもちょっとうれしそうな顔すんのやめてくれないかな。困るから。 
  ってか前髪うざい。 
  誰もみてないし、戻してよくない? 
  
 「だめだって。大人っぽくしようって言ったの、律じゃん」 
  隣に座って頬杖ついてこっちを見る睫毛の長さ。 
  テーブルについた小さな肘を寄せて、組んだ指先に頬を乗せてる姿。 
  
 「ってか、もしかして見てた?」 
  と窓越しに交差点を見やって言った。 
  こう、 
  回転いすをくるりと回して向き直って。 
  
  私は水滴でにじんだマクドナルドの白いロゴばっかにらんでいて、 
  たぶんロクな相づちも打てやしない。 
  あの細かい仕草の一つ一つに胸が鳴ってしまって、 
  数十時間前の熱いめまいを思い出しそうで、全然落ち着けやしない。 
  このまま私までなでられたら、もうほんとだめになる。 
  
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