3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 01:08:12.89 ID:Gqx9SXLWo
お代わりを頼める相手はいなかった。
振り向けばすぐ後ろの席で
干からびた汗の塊みたいなスーツのおっちゃんが
ずぶずぶ眠り込んでて、
向こうの壁際で
色落ちしてプリン頭のカップルが
ネチョネチョくっついてる。
女の方、
男のシャツに頭を寄せてるくせに 自分のスマホしか見てやしない。
その身体を支える男の太い腕の先が
テーブルと女の背中で隠れて見えなくて心からよかった。
ちょうど反対の席、トレイ回収場所のそばで
緑チェックのシャツに黒メガネの兄ちゃんが
マックブックをにやにや打ってる。
ネトゲ、いやツイッターか。どうでもいいけど。
そう広くはない二階席がよけいに狭くみえるのは淀んだ空気のせいだ。
おっちゃんの背中が膨らんではしぼんでイビキをザリザリ響かす。
プリン頭がゲラゲラ笑った。
足下に重ねたバッグがあって私は動くに動けない。
イヤホンを掛けてブロックパーティーのセカンドを再生する。
1曲目、アカペラのバックで勝手に挿し込まれる現実の笑い声。
2曲目に飛ばして爆音にした。
笑い声がサンプリング音声に混じって消えていく。
前に組んだ腕に重たい頭を乗せると、ガラスに自分の顔が写ってサイコーだ。
今すぐ世界が滅べばいいのに。
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