70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/30(土) 22:43:47.52 ID:Gqx9SXLWo
光に慣れない目がまぶしかったせいだ。
マックの弱い灯りでも、一瞬よく見えなかった。
私の大事なひとが、
妙に真面目な顔してテーブルの奥でなにか手遊びをしている。
明け方マックの淡い光に照らされて、ここからだと手先までは見えない。
それだけなのに、
その瞬間 その姿がなぜかとても 神聖な幻覚のようにみえた。
空間を満たしていたゆるいBGMがちょうど途切れて、
柔らかい光が蒸気のようにたちこめたままで、
曇りガラスごしに水を浴びる愛するひとの
存在や重さを感じ取るみたいな、
なんだろう、
とにかくとても尊いもののだと思ったんだ。
わかってた、錯覚だって頭は言ってた。
澪の癖だって知ってた。
だけど、
テーブル下の暗いとこで
この身体をつつむ膝やおなかの慣れきった温もりにひたって、
今だけはまぼろしの答え合わせをしたくなかった。
私は時を止めたかったんだ。
こんな気持ち、神様にだって伝わりっこないけれど。
でも、終わるんだ。
こんな時間は。
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