過去ログ - エルフが奴隷に堕ちた理由を考えてみたりなど
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83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/09/09(火) 21:14:54.87 ID:eB8qe4dR0

雰囲気すきだわ


84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 16:39:31.29 ID:EuprKhDmo

……

「俺の故郷は北の方の山のふもとにあったんだ」
 道を歩きながら手元の布袋から木苺を取り出し口に放る。
以下略



85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 16:40:05.52 ID:EuprKhDmo

 彼女に袋を返して彼は続けた。
「山では山羊を放牧して乳を取ってた。それをチーズや酒にしたりしてな、あっちの方はうまかったよ。
クソまずい穀類とそれでちょうどつり合いが取れてた。
……あまりクソまずいっていうとお袋に叱られるんだが」
以下略



86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 16:41:00.82 ID:EuprKhDmo

 彼は空を見上げた。やはり全体に薄く雲がかかっているが、今までで一番明るい空だ。

「それからお袋とあっちいったりこっちいったり。
お袋はしっかりしてたから俺みたいなヘマはやらずに結構安定した旅ができたよ。
以下略



87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 16:41:36.29 ID:EuprKhDmo

 エルフは少し考える間を置いた。
「わたしたちが森に棲んでいたのは知ってるわよね?」
「ああ」
「エルフには故郷と呼べるような決まった場所はないわ。森全体がわたしたちの故郷とは言えるかもしれないけれど」
以下略



88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 16:42:03.56 ID:EuprKhDmo

 人間とはかなり様子の違う生活を送っていたようだ。
 エルフは旅する種族らしい。
「寂しくはならないのか?」
 なんでもない風を装って訊ねる。
以下略



89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 16:42:36.08 ID:EuprKhDmo

「例えば?」
「寂しいときはなぜ寂しいと思うのか。寂しさという感情を引き起こしているのはなにか。
自分は寂しいのが嫌なのかどうか。嫌ならばどうすればいい方向に行くのか」

以下略



90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 16:43:03.60 ID:EuprKhDmo

 その、それこそ不思議な言葉を聞きながら彼はふと思った。
 こんなに考え込む種族のエルフは、人間と争っていた時にもやはり考え込んでいたのかもしれない。
 なぜ自分たちは争うのか。争いとは何か。争いの果てに待つものは何か。

以下略



91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 16:43:44.40 ID:EuprKhDmo

「どうしてもなにも……」
 故郷と母の夢、海の夢。
 あれはエルフの力ではないのか。

以下略



92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/10(水) 16:44:34.23 ID:EuprKhDmo

「大体エルフはそんな大きな不思議な力があってもおいそれと使わない。いいえ、使えないわ」
「なぜ?」
「それを使うことの意味を考えるからよ」

以下略



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