過去ログ - 【咲安価】 京太郎「これがZOIDS…」 憧「これがゾイドよ!京太郎!」3機目
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913:1 ◆g6V0jYwopc[saga]
2014/09/09(火) 23:55:37.63 ID:bV96YYXlo
宥「…たまには風を感じたくなっただけかもしれないよ?それに泣いてなんかいないよ。」

宥(…いつの間にか出ていた涙は少しだけだし…誤魔化せばきっと。)

京太郎「…少しだけでしたけど目が赤くなっています。」

京太郎「気にしない人なら気にしないでしょうけど…少なくとも俺は尊敬できる上官である宥さんをこの1年間見てきました。」

京太郎「だから宥さんの変化にある程度気づくことくらいは出来ます。」

宥「っ……。」

京太郎「…恭子中尉も心配してましたよ。宥さんの様子がおかしいって。」

京太郎「…俺達は今まで様々な激戦を一緒にくぐり抜けてきた仲間じゃないですか。俺に出来る事なら何でもします。」

京太郎「だから話して下さ」

宥「…貴方に私の何がわかるの?」


俺の言葉を遮り口を開いた宥さんの声はまるで氷のように冷たく、聞くだけで心が凍えるような空気を醸し出していた。
何度か宥さんのお遊びも含めて聞いた声質だが、今まで聞いてきた中でも特に冷たい気がする。


宥「私だって話せるなら話したいよ!でも話せるわけがないじゃない!私だってやえちゃんや玄ちゃんや末原ちゃんや京太郎君に打ち明けられるなら打ち明けたいよ!」

宥「でもそうしたら私のお母さんのように皆まで…!っ。」

宥「……大声出してごめんね。…今のは忘れて。」


俺が初めて聞くであろう宥さんの激昂した声。下手をすれば部隊の誰も聞いたことではないのではないだろうか。
何処かふわふわした、おっとりとした宥さんの物とは思えない大声を出し突如として口を抑えて黙りこむ宥さん。
まるで今話かけた言葉が言ってはならないものであるかのように。

京太郎「…それが宥さんのを追い詰めている事の片鱗なんですね。」

宥「………。」

宥「ごめんね。もう部屋に戻るから。…今日の事は忘れて。」

宥「おやすみなさい、京太郎君。」スタスタ

そう言って俺の横を通りすぎて部屋へと戻ろうとする宥さん。
俺は半ば無意識の内に横をすれ違う瞬間に宥さんの手を取る。
元来の寒がりと合わさってかその手は人の肌とは思えない程冷えており、寒さで震えていた。

宥(…京太郎君の手…あったかい。人の肌の温もり…いつ以来だろうね…。このままこれにずっとしがみつきたい。でもこれに甘えたら…。)

宥「…手離してもらっていいかな?部屋に戻りたいから」

京太郎「離しません。」

京太郎「絶対に離しません。…離したら宥さんが何処かへいってしまいそうな気がします。」


そう俺が言うと一際大きくビクッっと震える宥さんの手。
…もしかしたらこの手は今寒いから震えているわけではなく、今までずっと誰にも気付かれないようにしていただけで人知れず震えていたのかもしれない。
もしかしたら俺が出会う前から人知れずずっと…。




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