過去ログ - 【艦これ】シンジ「僕が提督に?」
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24: ◆h5MWZ0TTlE[saga sage]
2014/09/09(火) 04:10:52.44 ID:jgQzZteKo
Sideアスカ


レーベ…!!

1人の少女が脇目もふらず、一目を気にせず走っている。
少女の名はアスカ。現在、世界一有名な少女といっても過言ではないかもしれない。
誇りを持ち合わせている彼女、守るべき民間やメディアの取材でも常に自信に満ち溢れた姿を見せる彼女だが、今の彼女の表情に余裕の色は見えなかった。
遠征中に仲間であるZ1…レーベレヒト・マースが負傷したいう知らせを受けたのだ。



「アスカ様! 今日もご苦労様です」

道中、呼び止められるが、相手にしている暇はない。
そう思い無視して通りすぎようとしたが、次の言葉が耳に入って踏みとどまった。

「Z1が遠征から帰還したようですが小破状態のようです。
全く遠征ごときで負傷するなんて」

こちらの視線に気付き言葉を言い直す。

「あ、失礼しました! アスカ様の手を煩わせる事はありません。
所詮、兵器なのですからあの程度で文句を言わずに我慢すれば良いものを…。
アスカ様はゆっくりお休みになられてください」

男は言葉こそ丁寧に喋っているつもりだろうが、口許が歪んでいるのが見える。
アスカの事をちやほやされているだけの子娘か、はたまた下心を持っているのか。それとも両方か。
どちらにせよ、自分の失言に、アスカの雰囲気が変わった事に気付いていなかった。

「あんた…今、何って言ったの?」

何を言っているのだ?この男は。
言い直すべきところが他にあるだろう。
アスカの雰囲気に気付き、男がたじろぐ。

「遠征ごときで負傷?
なんならあなたの身ひとつで、深海棲艦の群れに突き落としてあげましょうか。
大丈夫、小破程度の傷を負ったら助けてあげるから」

一発で沈んでくれると嬉しいんだけどね。
アスカがさらに危険な思考に囚われる前に、隣から声が掛かった。

「アスカ、頭を冷やしなさい」
「ビスマルク……」
「あなたは、こんな所で時間を潰しにきたの? 違うでしょう?」

ビスマルクの言葉で少しだけ冷静さを取り戻し、
一度、深く空気を吸い込んでゆっくりとはく。
少しは冷静になった、かな。

「…もういいわ、下がりなさい」
「ハッ! 失礼しました」

男が去り際、ビスマルクに対して馬鹿にしたような視線を投げかける。
艦娘のくせに、とでも思っているのだろう。
その視線に気付き、頭が沸騰しそうになるが、またもやビスマルクに止められた。

「こんな事してる場合じゃないでしょう?」
「……わかってる」

あの男のせいで無駄な時間を過ごした。
同じ空気を吸うだけで屈辱だ、これ以上の思考はより不快になる。
強制的に思考を中断させレーベの下に急いだ。


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