過去ログ - 苗木こまる「雨はハレ」
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11: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/08/31(日) 22:40:32.38 ID:FWRyUZRr0

 雨の中、学校から家まで走り着いた時、今度兄が寮から帰ってくることを思い出したわたしは、そうだプレゼントでも探そう、と思い立ち、学校での友人の言葉も忘れ、ずぶ濡れの制服を着替えてから傘を掴んで家を出た。
 駅の周辺を歩き回っているうちに、空は雨足を変えぬまま、夜の帳を下ろしていた。
 雨で、しかも夜。
 結局何も買えなかったが、このままうろつき続けるのはまずいことはわたしにも解った。
 急ぎ足で家に向かおうとした矢先に、突然人がぶつかってきた。
 反射的に謝りながら、落とした傘を拾おうとしたが、ぶつかってきた人物が先んじて取り上げるように拾ってしまった。
 驚いて顔を上げると、短く刈り込んだ髪を青く染めた男が、へらへらした笑みを浮かべていた。少し後ろには長い金髪の男がいて、同じように笑っていた。さっと悪寒が走る。
 揃ってシルバーアクセサリーやらピアスやらを身につけた、ちゃらついた二人組だった。装飾品も、振る舞いも、ちゃらついていた。



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