12: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/08/31(日) 22:42:16.92 ID:FWRyUZRr0
青頭がわたしの傘を畳みながら、自分の傘の中にわたしを引き寄せて、何事かをべらべらとまくし立てる。全然頭に入ってこない。
チューニングの合わないラジオを相手にしているようだった。断片的に「雨宿り」とか、「雨男」とか、「送ろうか」とか、「泊まろうか」とか聞こえてくる。
必死に、いいですいいです、と逃げようとするが、いいからいいから、と強く肩を抱かれ、逃げられない。金髪がかん高い声で笑う。
そうして、望まない相合傘でふらふらしてるうちに、暗い路地裏まで引っ張られていることに気づく。
薄汚れたコンクリートの狭間。ネオンの届かない暗闇。
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