27: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/09/01(月) 21:55:43.39 ID:b1HKoC2c0
「結局、逃げんのかよ。全然好みじゃないし、いいけどさあ」少女が笑い飛ばす。同時に、わたしの身体から手を離した。
少女の腕に背を預ける格好となっていたわたしは、濡れた地面に尻餅を突いた。うひゃあ、と変な声が出て、少女がげらげら笑った。
「あの」尻をさすりながら、立ち上がる。「助けてくれて、ありがとうございました」頭を下げ、上目使いに、ちらっと、少女を観察する。
「そうそう、ヒーローじゃん、アタシってば。暴漢からか弱い女の子を救っちゃうなんて」
雨に濡れ、水をたっぷりと吸った髪は乱れ、前髪は顔に幾房か張り付いている。鬼気溢れる青白い顔は、とてもヒーローには見えない。怖い。助けてくれたということでよろしいですよね?それではさようなら、と、さっさと立ち去りたくなる。
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