50: ◆N7YbsBIT3ELs[saga]
2014/09/01(月) 22:38:33.53 ID:UDVM4aPw0
「ハレの日は、皆が狂騒に身を任せる時間。その時だけ許される狂気をケの日に持ち込む者はタブレビト……狂人」
「タブレビト……」
「近いの?こまるにとっての、ハレが」
「解んないな」近く、非日常がやってくる気はする。少なくとも、めでたい非日常ではないだろう。「雨男にとっては、雨の日はハレの日、なのかな?」
「それ、面白い。言い得て妙だね」友人はくすりと笑って、顔を上げた。「殺人の罪がもたらす非日常は、ケガレと呼ぶべきかもしれないけど」
友人は、窓の外の空を仰いだ。そしてまた、文庫本に目を落とした。
「今日は、何読んでるの?」わたしは、文庫本を指す。
「腐川冬子」
「ああ、あの超高校級の」
腐川冬子。超高校級の文学少女と呼ばれる、女子高生の小説家だ。兄と同じ学園に通っているはずだ。
「読んだことないけど、恋愛小説ばっかなんでしょ、腐川冬子って。そんなん好きだっけ?」
「面白いよ。猿がバナナの山を描いてるみたいで」
「どんだけ、ひねくれた見方してるの」
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