過去ログ - 【SAO】アインクラッドでおっかなびっくり生きる 9 【安価】
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810: ◆GVCfHyzjmtRo[saga]
2014/09/17(水) 03:32:16.39 ID:cgwWzqjso

※安価やコンマが無くてすいません……。


助手に手持ち花火を2本持たせてその先端を同時にタップすると、

ススキの穂の様な花火が助手を彩った。

手持ち花火二刀流状態の助手がくるくる回ろうとしてよろけたのを後ろから抱きとめる。

柔らかく助手に触れているだけで鼓動が跳ね上がるようだ。

助手の肩越しに見える花火は映像で見た事の有る現実のそれよりずっと美しく思えた。

《アーガス》のグラフィックチームは本当に良い仕事をした、心から感謝したい。

こんな事なら部署を尋ねて彼らに酒の一つでも振舞っておくべきだった。

底浅陰気根暗エロもやしのせいで職を失った彼らが《レクト》なりに無事に再就職出来ている様にと願って止まない。

燃え尽きた花火は消えると同時に耐久値を失い微細なポリゴン片となって砕け散った。

火の始末や片づけが要らないのは便利だが、

花火の光を受けて煌きながら消えていくのがなんとも物悲しいな。


助手は子どもの頃に姉と花火を遊んだ時の事を懐かしそうに話してくれた。

俺も何か花火にまつわる話が出来れば良かったのだが……生憎これが初めての花火遊びだったので、

化学分野は余り詳しくは無いのだが炎色反応について話してみた。

つい講義染みてしまって失敗を悔やんだが、助手が嬉しそうに聞いてくれたので救われた。

助手の体温を感じながら遊ぶ花火は幻の様に儚く美しかった。

2人だけの美しい時間は、静かに過ぎてゆく。

俺が今まで花火遊びをする機会に恵まれなかったのはきっと、

今日この日、ここで助手と遊ぶ為だったのだと思う。

最後の線香花火が落ちていくのを穏やかな気持ちで見送った。



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